所有権を譲渡すると、指定されたデータベースまたはユーザーに割り当てられた固定領域も譲渡されます。これにより、システムのスペース割り当ては次のような影響を受けます。
- 元の所有者(GIVE文を発行する所有者と、階層構造内でこの所有者より上位の所有者)が利用できる固定領域のバイト総数は、譲られるデータベースの固定領域のバイト数分減らされます。これは、データベースに割り当てられた総領域に、譲られるデータベースが所有するすべてのデータベースとユーザーを加えたものです。
- 譲渡されるデータベースが削除された場合、譲渡されたデータベースの新しい直接所有者に割り当てられる固定領域のバイト数は、削除されたデータベースの固定領域のバイト数分だけ増えます。さらに、階層構造内でこの所有者の上位の所有者が利用できる固定領域の総バイト数は、譲渡されたデータベースに割り当てられていた固定領域のバイト数分だけ増えます。
例えば、次の階層構造を考えます。
データベースCの所有権がデータベースDに渡される場合、その階層構造は、次のように変化します。
データベースCが譲渡された場合:
- Cが所有するデータベースFも譲渡されます。
- データベースAに割り当てた固定領域のバイト数に変化はありませんが、データベースAで利用可能な固定領域の集約バイト数は50 (データベースCおよびFに割り当てられた固定領域の合計バイト数)減少します。
- データベースDおよびBに割り当てられているバイト数は変わりません。
- ただし、利用可能な固定領域のバイト数は50増加します。つまり、データベースCおよびFが削除されると、CおよびFに割り当てられたバイト数がデータベースDに譲渡されることになります。
- Aが所持していたCおよびFに対する権限は、暗黙的に取り消されています。
- この時点で、BおよびDは、CおよびFに対する権限を暗黙的に所持しています。
- 特定のデータベースまたはユーザーによって保持されていた明示的権限は変更されません。
例えば、Aがそれ自体に、CまたはF (または、それらに格納されているオブジェクト)に対する明示的権限を付与していた場合に、GIVE文が実行されると、それらの明示的権限はそのままAが所持することになります。