目的
startコマンドは、createコマンドで作成されたジョブを開始します。実行時にコマンドラインに入力することにより、本来使用されていたものとは異なるジョブ変数値を指定できます。 また、更新されたparameters.xmlファイルを提供することにより、コピーするオブジェクトのリストだけでなくジョブ変数値も変更できます。 デーモンのリソースが不足していてジョブを直ちに実行できない場合、ジョブは実行待ちになります。
パラメータ
パラメータの順序を参照してください。
- data_streams
- (オプション)ソース データベースとターゲット データベース間で使用するデータ ストリームの数を指定します。Teradata DSAおよびTPT API(Teradata間)を使用するジョブに適用されます。他のすべてのプロトコルでは、単一のデータ ストリームを使用します。
- db_client_encryption
- (オプション)データ転送中にジョブを暗号化する必要がある場合は、trueに設定します。
- dm.rest.endpoint
- (オプション)実行時に別のRESTサーバーに接続する(その結果別のデーモンに接続する)ために、Data Mover RESTサーバー URLを入力して、commandline.propertiesファイルに指定されているデフォルト値を上書きします。
- force_utility
- (オプション) Data Moverデーモンはすべてのコピー操作で特定のユーティリティを使用します。
有効な値
- dsa
- jdbc
- tptapi
- tptapi_load
- tptapi_stream
- tptapi_update
- T2T
Teradata DSAを使用して古いバージョンのTeradata Databaseにデータをコピーすることはできません。ソースTDPIDとターゲットTDPIDが同じ場合は、Teradata DSAを使用できません。 - job_name
- 開始するジョブの名前。
- job_priority
- (オプション)ジョブの実行優先順位を指定します。サポートされる値は、HIGH、MEDIUM、LOW、およびUNSPECIFIEDです。値を指定しないと、デフォルト値MEDIUMが実行時に使用されます。
- log_level
- (オプション) ログ ファイル出力のログ レベル。
有効な値
- 0
- 1
- 2
- 99
- max_agents_per_task
- (オプション)テーブルまたはデータベースの移動時に同時に使用するData Moverエージェントの最大数。
- netrace
- (オプション) CLI netraceパラメータ。0以上の値を指定すると、CLIトレース ログが生成されます。有効なCLIの値を指定する必要があります。
- netrace_buf_len
- (オプション) CLI netrace_buf_lenパラメータ。0以上の値を指定すると、CLIトレース ログが生成されます。有効なCLIの値を指定する必要があります。
- online_archive
- (オプション)Teradata DSAを使用してテーブルをコピーしている間の、ソース テーブルへの読み取りアクセスおよび書き込みアクセスを許可します。コピー中にソース テーブルが更新されても、その更新はターゲット テーブルには転送されません。コピーが成功した後、ターゲット テーブルに含まれるデータは、コピーの開始時のソース テーブル内のデータに一致します。有効な値
値 説明 True オンライン アーカイブを有効にします False オンライン アーカイブを無効にします Unspecified デフォルト - この値はData Moverデーモン構成ファイルの値に設定されます - overwrite_existing_objects
- (オプション) ジョブは、ターゲットに既に存在するオブジェクトを上書きします。有効な値このパラメータを指定しないと、値はData Moverデーモン構成ファイルのoverwrite_existing_objectsパラメータ値に設定されます。trueまたはfalseに指定すると、値はData Moverデーモン構成ファイルのパラメータ値より優先されます。
値 説明 True 上書きを有効にします False 上書きを無効にします Unspecified デフォルト - この値はData Moverデーモン構成ファイルの値に設定されます - query_band
- (オプション) ソースおよびターゲットのTeradataセッションまたはトランザクションを一意に識別する、名前と値の組み合わせをセミコロンで区切ったセット。ジョブpayroll、ユーザーID aa100000、およびジョブ セッション番号1122を識別するクエリーバンドを使用するには、次のクエリーバンドを定義します。
- response_timeout
- (オプション) Data Moverデーモンからの応答を待機する時間(秒単位)。
- save_changes
- (オプション)変更したジョブ変数値を保存し、それらを使用して、ジョブの作成時に定義された元の値を置き換えます。
- security_password
- (オプション)スーパー ユーザーまたは許可されたViewpointユーザーのパスワード。
- security_password_encrypted
- (オプション) スーパーユーザーの暗号化されたパスワード。
- security_username
- (オプション)スーパー ユーザーまたは許可されたViewpointユーザーのユーザーID。スーパーユーザーのユーザーIDはdmcl_adminで、変更できません。
- source_account_id
- (オプション) ソース データベースのログオン アカウントID。
- source_logon_mechanism
- (オプション) ソース システムのログオン メカニズム。ソースTeradata Database システムにログオンする場合、ユーザーは少なくとも次のいずれかを入力する必要があります。
- source_user および source_password
- source_logon_mechanism
ログオン メカニズムは、Teradata DSAジョブではサポートされていません。ログオン メカニズムはTeradata PT APIジョブとTeradata JDBCジョブにのみ使用してください。-source_logon_mechanismを指定し、-force_utilityを使用しないと、デフォルトではTeradata PT APIが使用されます。-source_logon_mechanismを指定し、-force_utilityにTeradata DSAを指定すると、エラーが発生します。
- source_logon_mechanism_data
- (オプション)ソース システムのログオン メカニズムに必要な追加のパラメータ。
- source_password
- (オプション) ソース データベースのログオン パスワード。
- source_sessions
- (オプション) ソース データベースのデータ ストリームごとのセッション数。
- source_tdpid
- (オプション)ソースTeradataデータベース。
- source_user
- (オプション) ソース データベースのログオンID。
- sync
- (オプション) ジョブの完了を待機してから、ジョブが正常に完了したことを示す終了コードを返します。終了コード0は、ジョブの正常な完了を示します。0以外の終了コードは、ジョブまたはコマンドのエラーを示します。
- target_account_id
- (オプション) ターゲット データベースのログオン アカウントID。
- target_logon_mechanism
- (オプション) ターゲット システムのログオン メカニズム。ターゲットTeradataデータベース システムにログオンする場合、ユーザーは少なくとも次のいずれかを入力する必要があります。
- target_user および target_password
- target_logon_mechanism
ログオン メカニズムは、Teradata DSAではサポートされていません。ログオン メカニズムはTeradata PT APIジョブとTeradata JDBCジョブにのみ使用してください。-target_logon_mechanismを指定し、-force_utilityを使用しないと、デフォルトではTeradata PT APIが使用されます。-target_logon_mechanismを指定し、-force_utilityにTeradata DSAを指定すると、エラーが発生します。
- target_password
- (オプション) ターゲット データベースのログオン パスワード。
- target_sessions
- (オプション) ターゲット データベースのデータ ストリームごとのセッション数。
- target_tdpid
- (オプション)ターゲットTeradataデータベース。
- target_user
- (オプション) ターゲット データベースのログオンID。
- tpt_debug
- (オプション) TPT APIトレース デバッグ ログ パラメータ。0以上の値を指定すると、TPT APIトレース ログが生成されます。有効なTPT APIの値を指定する必要があります。
- uowid
- (オプション) ジョブに関連付けられた作業バッチ用の代替IDまたは名前。このパラメータに値を設定すると、Data Moverによって、Teradata Ecosystem Managerまたはその内部TMSMEVENTテーブルにイベントが送信される際、この値は作業単位IDとして報告されます。このパラメータを指定しない場合、Teradata Ecosystem Managerまたはその内部TMSMEVENTテーブルにイベントが送信される際、デフォルト値が作業単位IDとして使用されます。作業単位IDのデフォルト値は、ジョブの実行名と現在のタイムスタンプで構成されます。例えば、ジョブの実行名がsales_tableであるクエリー ソースを定義した場合、作業単位IDのデフォルト値は、sales_table-20110115155656ESTになります。
使用上の注意
ジョブが開始されるたびに、新しいジョブ インスタンスがjob name-date time yearという名前で作成されます。この名前は、ジョブに固有の実行情報を識別するために、statusコマンドまたはログに表示されます。ジョブの開始後にジョブのステータスを監視するには、statusコマンドを使用します。
あるジョブのインスタンスが指定された全ステップを完了していない場合、そのジョブの新しいインスタンスは開始できません。デーモンのリソースが不足していてジョブを直ちに実行できない場合、ジョブは実行待ちになります。同じオブジェクトを、実行中または実行待ちの別のジョブとして同じターゲットにコピーすることはできません。
- createコマンドを使用する場合と同様に、ジョブ変数の値をコマンドラインに直接指定する。例えば、job1のロギング レベルの値を99に設定するには、次のように入力します。 datamove start -job_name job1 -log_level 99。
- XMLファイルを変更し、startコマンドに送信することによって、createコマンドを使用する場合と同様に、ジョブ変数の新しい値を指定します。 datamove start -job_name job1 -f job1.xml
コピーするオブジェクトのリストを変更する場合は、XMLファイルを変更してサブミットすることでリストを変更する必要があります。この際、名前が変更されたオブジェクトだけでなく、コピーするすべてのオブジェクトがXMLファイルに含まれている必要があります。コピー対象として当初指定されていたオブジェクトがリストに含まれていない場合、そのオブジェクトはジョブの実行に含まれません。
- コマンドライン プロンプトでdatamove start -job_name job1 -log_level 99 -save_changesと入力します。
- XMLファイルで次のものを指定します。<saveChanges>true</saveChanges> 例に示すように、save changesパラメータの構文は、コマンド ラインで使用する場合とXMLファイルで使用する場合で異なります。
- セキュリティが有効になっている場合、save changesパラメータをtrueに設定するには、書き込み権限を所有している必要があります。
- ジョブの所有者でないユーザーは、XMLでオブジェクト リストを指定する場合とstartコマンドを使用してそのリストをサブミットする場合に、ソースおよびターゲットのTeradataシステムにユーザー名とパスワードを入力する必要があります。
- セキュリティが有効で、ジョブの権限を変更するために変更済みのXMLでjob_security指定されている場合、ユーザーはdcml_adminまたはジョブ所有者である必要があり、ユーザーは変更された権限だけでなく、すべての権限を提供する必要があります。job_ownerがjob_securityで指定され、ユーザーがジョブ所有者を変更する場合、ユーザーはdcml_adminである必要があります。
XMLファイルの例
startコマンドの場合は、datamove start -f parameters.xmlと入力します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes" ?>
<dmCreate xmlns="http://schemas.teradata.com/dataMover/v2009"
xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
xsi:schemaLocation="http://schemas.teradata.com/unity/datamover.xsd">
<job_name>testStart</job_name>
<source_tdpid>dmdev</source_tdpid>
<source_user>dmuser</source_user>
<source_password>dbc</source_password>
<target_tdpid>dm-daemon2</target_tdpid>
<target_user>dmuser</target_user>
<target_password>dbc</target_password>
<data_streams>1</data_streams>
<source_sessions>1</source_sessions>
<target_sessions>1</target_sessions>
<overwrite_existing_objects>TRUE</overwrite_existing_objects>
<freeze_job_steps>true</freeze_job_steps>
<force_utility>DSA</force_utility>
<log_level>1</log_level>
<online_archive>false</online_archive>
<database selection="unselected">
<name>testdb</name>
<table selection="included">
<name>fmt_inf</name>
<validate_row_count>ALL</validate_row_count>
</table>
<table selection="included">
<name>test1</name>
<compare_ddl>true</compare_ddl>
</table>
</database>
</dmCreate>
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes" ?>
<dmEdit xmlns="http://schemas.teradata.com/dataMover/v2009"
xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
xsi:schemaLocation="http://schemas.teradata.com/unity/DataMover.xsd">
<job_name>testStart</job_name>
<source_user>dmuser</source_user>
<source_password>dbc</source_password>
<target_user>dmuser</target_user>
<target_password>dbc</target_password>
<database selection="unselected">
<name>testdb</name>
<table selection="included">
<name>fmt_inf</name>
<validate_row_count>ALL</validate_row_count>
<compare_ddl>true</compare_ddl>
<sql_where_clause>
<![CDATA[ where i = 2]]>
</sql_where_clause>
<key_columns>
<key_column>i</key_column>
</key_columns>
</table>
<table selection="included">
<name>test3</name>
<validate_row_count>ALL</validate_row_count>
<compare_ddl>true</compare_ddl>
</table>
</database>
</dmEdit>