目的
SCOPEコマンドは、後続のCOMPRESS、DEFRAGMENT、PACKDISK、SCANDISK、SHOWAMPRECOVERY、SHOWBLOCKS、SHOWCOMPRESS、SHOWCYLALLOC、SHOWFSP、SHOWSPACE、SHOWWHERE、UNCOMPRESSの各コマンドの対象範囲を定義します。SCOPEコマンドは、これらのFerretコマンドでパラメータとして使用されるテーブルのクラス、テーブルの範囲、vproc/maps (AMP)、シリンダ、またはWALログを定義します。
それぞれのSCOPEコマンドを発行する度に新しい対象範囲が定義されます。最後に定義された対象範囲が継続されるわけではありません。
構文規則
Ferret SCOPEは、独特の構文を使用します。次のルールが適用されます。
指定内容 | 結果 |
---|---|
single_syntax_element | カンマとスペースは必要ありません。括弧はオプションです。 |
list_of_syntax_elements | それぞれの構文要素をカンマまたはスペースで区切る必要があります。括弧は必須です。 |
以下の例は、有効なSCOPEコマンドです。
scope vproc 1 scope vproc (1) scope vproc (1,3) scope vproc (1, 3)
以下の例は、無効なSCOPEコマンドです。
scope vproc 1,3 scope vproc 1 3
構文
- CLASS
- 後続のコマンドの対象範囲となるテーブルのクラス。クラスは、サブテーブルの範囲です。このため、コマンドで記録された対象範囲のテーブルが必要な場合、SCOPEコマンドでCLASSを指定できます。
- JRNLは、不可視のユーザー データの入った永久ジャーナル テーブルを指定します。
- PERMANENTは、可視ユーザー データの入った永久テーブルを指定します。
- TEMPORARYは、非永久データの入った一時作業テーブル(グローバル一時テーブル インスタンス)を指定します。
- PSPOOLは、非永久データを含み、再始動後も持続する作業テーブルを指定します。
- SPOOLは、非永久データの入った中間作業テーブルを指定します。
- ALLは、構成内のテーブルのクラスすべてを指定します。
- CYLINDER
- 後続のDEFRAGMENTコマンドによってのみ操作されるシリンダ。他のコマンドはCYLINDER SCOPEを使用しません。CYLINDER引数を指定したSCOPEコマンドには、有効なVPROC引数も追加する必要があります。
- cylidは、シリンダのID番号(16文字の16進数)を指定します。
- ALLは、vproc内のすべての シリンダを指定します。
- VPROC
- 後続のコマンドにより操作される予定の現在構成内のAMP vproc ID番号の範囲、またはすべてのAMP。
- vproc_numberは、単一のAMP vproc ID番号、または番号の範囲を指定します。
有効なAMP vproc ID番号は0~16199です。デフォルトはありません。非AMP vprocに割り当てられたvproc識別子を入力すると、Ferretはエラーを発行します。
ダウンしたAMPに割り当てられたvproc番号を選択した場合にも、Ferretはそのことを知らせます。 - ALLは、構成内のAMP vprocすべてを指定します。VPROC ALLを使用すると、MAP ALLと同じ結果になります。
- vproc_numberは、単一のAMP vproc ID番号、または番号の範囲を指定します。
- MAP
- VPROCに似ていますが、指定の連続マップに含まれるAMPにスコープが設定されます。マップ名は二重引用符で囲む必要があります。MAP ALLを使用すると、VPROC ALLと同じ結果になります。スパース マップにSCOPEを設定すると、有効なFerretスコープは、スパース マップの親連続マップ内のAMPの範囲に設定されます。
- TABLE
- 後続のコマンドにより操作されるサブテーブル。
- tidは、処理するサブテーブルを指定します。
- ALLは、構成内のサブテーブルすべてを指定します。
- WAL
- WALログ
- ALL
- SCOPEをデフォルトのFerret始動設定値にリセットします。初期対象範囲は、各コマンドに応じて、すべてのテーブル、すべてのシリンダ、すべてのvproc、およびWALログで構成されます。
使用上の注意
次のテーブルには、対象範囲の解釈が示されています。
対象範囲の型 | 解釈 |
---|---|
Table | 指定されたサブテーブル(選択されたサブテーブル、すべてのサブテーブル、またはクラスのいずれかです) TJレコードとWALレコードに割り当てられるディスク領域は表0 26にチャージされますが、実際のTJレコードまたはWALレコードはこのテーブルのサブテーブルにはありません。その代わりに、これらのレコードはWALログにあります。表0、26のどのサブテーブルにも存在する唯一の行は、サブテーブル0のテーブル ヘッダーです。
テーブル対象範囲は、 シリンダ対象範囲を暗黙に示し、すべてのテーブルが対象範囲の場合、空きCIを暗黙に示します。 |
Cylinder | 指定されたすべての シリンダ シリンダ対象範囲は、サブテーブル対象範囲として暗黙に示すことによって指定できます。DEFRAGMENTコマンドの場合、これは、指定されたサブテーブルを含んだすべての シリンダを意味します。明示的な シリンダ指定は、DEFRAGMENTコマンドに対してのみ有効です。CYLINDER cylidで空きシリンダを指定した場合、Ferret SCANDISKは、シリンダをデフラグメントする必要がなかったというメッセージで応答します。 |
Vproc | すべてのサブテーブル、すべての空きCI、およびWALログ |
Map | 指定のマップに関連付けられたAMP。 |
WAL | WALログ全体 TJレコードとWALレコードに割り当てられるディスク領域は0 26テーブルにチャージされますが、実際のTJレコードまたはWALレコードはこのテーブルのサブテーブルにはありません。その代わりに、これらのレコードはWALログにあります。0、26テーブルのどのサブテーブルにも存在する唯一の行は、サブテーブル0のテーブル ヘッダーです。
|
Ferretコマンドは、SCOPEを次のように使用します。ここで、クラスとはテーブルの集まりで、AMP対象範囲のテーブルとなります。
コマンド | 説明 |
---|---|
DEFRAGMENT | コマンドは、AMPスコープのテーブル、またはAMPまたはMAPスコープのシリンダを使用します。 スコープには、テーブルだけ、テーブルとvprocの両方またはマップ、またはvproc/mapsとシリンダの両方を含めることができます。詳細は、DEFRAGMENTを参照してください。 |
PACKDISK | コマンドは、AMP対象範囲、またはAMP対象範囲のテーブルを使用します。 選択したスコープには、vproc/mapsまたはテーブルのいずれかを含める必要がありますが、両方を含めることはできません。詳細は、PACKDISKを参照してください。 |
SCANDISK | コマンドは、AMP対象範囲かAMP対象範囲のテーブル、およびWAL対象範囲を使用します。 スコープには、テーブルだけ、vproc/mapsだけ、テーブルとvproc/mapsの両方、またはWALログを含めることができます。詳細は、SCANDISKを参照してください。 |
SHOWBLOCKS | コマンドは、AMP対象範囲のテーブルおよびWAL対象範囲を使用します。 対象範囲には、表だけまたはWALログを含めることができます。詳細は、SHOWBLOCKSを参照してください。 |
SHOWFSP | コマンドは、AMP対象範囲、またはAMP対象範囲のテーブルを使用します。 スコープには、1つ以上のテーブル、1つ以上のvproc/maps、またはシステム全体を含めることができます。詳細は、SHOWFSPを参照してください。 |
SHOWSPACE | コマンドは、AMP対象範囲かAMP対象範囲のテーブル、およびWAL対象範囲を使用します。 TJレコードとWALレコードに割り当てられるディスク領域は0 26テーブルにチャージされますが、実際のTJレコードまたはWALレコードはこのテーブルのサブテーブルにはありません。その代わりに、これらのレコードはWALログにあります。0、26テーブルのどのサブテーブルにも存在する唯一の行は、サブテーブル0のテーブル ヘッダーです。
スコープには、テーブルだけ、vproc/mapsだけ、テーブルとvproc/mapsの両方、またはWALログを含めることができます。詳細は、SHOWSPACEを参照してください。 |
対象範囲によっては、特定のコマンドに適用できないものがあります。コマンドを実行したときに、対象範囲がそのコマンドに適用できない場合、コマンドは拒否されるか、対象範囲の適用できない部分が無視されます。
SHOWDEFAULTSコマンドは、記録されたスコープのさまざまな構成要素を表示します。これらの構成要素は、COMPRESS、DEFRAGMENT、PACKDISK、SCANDISK、SHOWBLOCKS、SHOWCOMPRESS、SHOWCYLALLOC、SHOWFSP、SHOWSPACE、SHOWWHERE、UNCOMPRESSの各コマンドによって個別に解釈されます。
スコープはSHOWDEFAULTSの出力に、vprocのテーブル、vprocのシリンダ、vproc、マップ、またはWALログとして表示されます。詳細は、SHOWDEFAULTSを参照してください。
例: SCOPEコマンドの例
以下のコマンド例は、SCOPEコマンドが普通どのように使用されるかを示しています。
コマンド | アクション |
---|---|
Scope vproc ALL |
システムのすべてのAMPを選択する。 |
Scope vproc 4, vproc 6 または Scope vproc (4,6) |
vproc 4および6を選択する。 |
Scope Table 400H 0 400H |
すべてのvprocのテーブル400H 0 400Hを選択する。 |
Scope Class (P, JRNL) または Scope Class P, Class JRNL |
すべてのvprocのすべての永久テーブルとジャーナル テーブルを選択する。 |
Scope Class P, Class JRNL, vproc 4 |
vproc 4のすべての永久テーブルとジャーナル テーブルを選択する。 |
Scope Cyl (000100000000003C 0001000000000043) |
シリンダ000100000000003C~0001000000000043を選択する。 1つのSCOPEコマンドで指定するシリンダは、すべて同じAMPに属している必要があります。
|
例: フォールバック テーブルへのFerretのスコープ指定
データベースXYZに含まれるT4テーブルのテーブル番号が「0 1198」であるとします。
- 以下のいずれかのコマンドを使用すれば、T4のすべてのフォールバック サブテーブルが対象範囲に含まれるようになります。
- SCOPE “TABLE XYZ.T4 F”*
- SCOPE TABLE 0 1198 F*
- 以下のいずれかのコマンドを使用すれば、T4のすべてのサブテーブルが対象範囲に含まれるようになります。
- SCOPE TABLE “XYZ.T4” *
- SCOPE TABLE 0 1198 *
例: Ferrretスコープのデフォルトへのリセット
以下の例は、対象範囲をデフォルトのFerret始動設定値にリセットします。例を簡略化するため、出力の一部が省略されています。
scope all showd Scope for the Defrag command is : All Cylinders On all AMP vprocs Scope for the Packdisk command is : All of the AMP vprocs Scope for the Scandisk command is : All of the AMP vprocs Scope for the Showblocks command is : All tables WAL Log On all AMP vprocs Scope for the Showspace command is : All of the AMP vprocs Scope for the Showwhere command is : All tables On all AMP vprocs
例: 1つのAMPへのFerretのスコープ指定
以下の例は、WALログを含む、AMP対象範囲全体を示しています。
SCOPE VPROC 1 The SCOPE has been set Ferret => SHOWD The current setting of the Input Radix is Decimal The current setting of the Output Radix is Decimal Scope for the Defrag command is : All Cylinders On AMP vproc(s) 1 Scope for the Packdisk command is : AMP vproc(s) 1 Scope for the Scandisk command is : AMP vproc(s) 1 Scope for the Showblocks command is : All tables WAL Log On AMP vproc(s) 1 Scope for the Showspace command is : AMP vproc(s) 1 Scope for the ShowFSP command is : AMP vproc(s) 1 Scope for the Showwhere command is : AMP vproc(s) 1
例: マップへのFerretのスコープ指定
scope map "td_map1" The SCOPE has been set Ferret ==> > showd showd The current setting of the Input Radix is Decimal The current setting of the Output Radix is Decimal Ferret is running with Script Mode -- Disabled Scope for the Defrag command is : Invalid, because no tables or cylinders are specified Scope for the Packdisk command is : MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 ) Scope for the Scandisk command is : MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 ) Scope for the Showblocks command is : Invalid because there are no tables or log records selected Scope for the Showspace command is : MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 ) Scope for the ShowFSP command is : MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 ) Scope for the Showwhere command is : MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 ) Scope for the Showcylalloc command is : MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 ) Scope for the Force command is : Ignores the map scope set by scope command Scope for the Showcompress command is : MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 ) Scope for the [un]Compress command is : Ignores the map scope set by scope command
例: すべてのAMPのWALログへのFerretのスコープ指定
以下の例では、対象範囲がすべてのAMPのWALログに設定されます。
SCOPE WAL The SCOPE has been set Ferret => SHOWD The current setting of the Input Radix is Decimal The current setting of the Output Radix is Decimal Scope for the Defrag command is : On all AMP vprocs Scope for the Packdisk command is : On all AMP vprocs Scope for the Scandisk command is : WAL Log On all AMP vprocs Scope for the Showblocks command is : WAL Log On all AMP vprocs Scope for the Showspace command is : WAL Log On all AMP vprocs Scope for the ShowFSP command is : Invalid, because it contains WAL Scope for the Showwhere command is : WAL Log On all AMP vprocs
例: WALログを除外するFerretのスコープ指定
以下の例では、対象範囲がWALログではなく、すべてのAMPのすべてのテーブルに設定されます。
scope class all showd Scope for the Defrag command is : Table(s) 0 0 0 TO 65535 65535 65535 On All AMP vprocs Scope for the Packdisk command is : Table(s) 0 0 0 TO 65535 65535 65535 On All AMP vprocs Scope for the Scandisk command is : Table(s) 0 0 0 TO 65535 65535 65535 On All AMP vprocs Scope for the Showblocks command is : Table(s) 0 0 0 TO 65535 65535 65535 On All AMP vprocs Scope for the Showspace command is : Table(s) 0 0 0 TO 65535 65535 65535 On All AMP vprocs Scope for the ShowFSP command is : Table(s) 0 0 0 TO 65535 65535 65535 On All AMP vprocs Scope for the Showwhere command is : Table(s) 0 0 0 TO 65535 65535 65535 On All AMP vprocs