SCOPE - Teradata Database - Teradata Vantage NewSQL Engine

Teradata Vantage™ - データベース ユーティリティ

Product
Teradata Database
Teradata Vantage NewSQL Engine
Release Number
16.20
Published
2019年3月
Language
日本語
Last Update
2019-10-29
dita:mapPath
ja-JP/qxr1512078764562.ditamap
dita:ditavalPath
ja-JP/qxr1512078764562.ditaval
dita:id
B035-1102
Product Category
Software
Teradata Vantage

目的

SCOPEコマンドは、後続のCOMPRESS、DEFRAGMENT、PACKDISK、SCANDISK、SHOWAMPRECOVERY、SHOWBLOCKS、SHOWCOMPRESS、SHOWCYLALLOC、SHOWFSP、SHOWSPACE、SHOWWHERE、UNCOMPRESSの各コマンドの対象範囲を定義します。SCOPEコマンドは、これらのFerretコマンドでパラメータとして使用されるテーブルのクラス、テーブルの範囲、vproc/maps (AMP)、シリンダ、またはWALログを定義します。

それぞれのSCOPEコマンドを発行する度に新しい対象範囲が定義されます。最後に定義された対象範囲が継続されるわけではありません。

構文規則

Ferret SCOPEは、独特の構文を使用します。次のルールが適用されます。

指定内容 結果
single_syntax_element カンマとスペースは必要ありません。括弧はオプションです。
list_of_syntax_elements それぞれの構文要素をカンマまたはスペースで区切る必要があります。括弧は必須です。

以下の例は、有効なSCOPEコマンドです。

scope vproc 1
scope vproc (1)
scope vproc (1,3)
scope vproc (1, 3)

以下の例は、無効なSCOPEコマンドです。

scope vproc 1,3
scope vproc 1 3

構文

許容される構文のすべての組み合わせが示されているわけではありません。












CLASS
後続のコマンドの対象範囲となるテーブルのクラス。
クラスは、サブテーブルの範囲です。このため、コマンドで記録された対象範囲のテーブルが必要な場合、SCOPEコマンドでCLASSを指定できます。
  • JRNLは、不可視のユーザー データの入った永久ジャーナル テーブルを指定します。
  • PERMANENTは、可視ユーザー データの入った永久テーブルを指定します。
  • TEMPORARYは、非永久データの入った一時作業テーブル(グローバル一時テーブル インスタンス)を指定します。
  • PSPOOLは、非永久データを含み、再始動後も持続する作業テーブルを指定します。
  • SPOOLは、非永久データの入った中間作業テーブルを指定します。
  • ALLは、構成内のテーブルのクラスすべてを指定します。
CYLINDER
後続のDEFRAGMENTコマンドによってのみ操作されるシリンダ。他のコマンドはCYLINDER SCOPEを使用しません。
CYLINDER引数を指定したSCOPEコマンドには、有効なVPROC引数も追加する必要があります。
  • cylidは、シリンダのID番号(16文字の16進数)を指定します。
  • ALLは、vproc内のすべての シリンダを指定します。
VPROC
後続のコマンドにより操作される予定の現在構成内のAMP vproc ID番号の範囲、またはすべてのAMP。
  • vproc_numberは、単一のAMP vproc ID番号、または番号の範囲を指定します。

    有効なAMP vproc ID番号は0~16199です。デフォルトはありません。非AMP vprocに割り当てられたvproc識別子を入力すると、Ferretはエラーを発行します。

    ダウンしたAMPに割り当てられたvproc番号を選択した場合にも、Ferretはそのことを知らせます。
  • ALLは、構成内のAMP vprocすべてを指定します。VPROC ALLを使用すると、MAP ALLと同じ結果になります。
MAP
VPROCに似ていますが、指定の連続マップに含まれるAMPにスコープが設定されます。マップ名は二重引用符で囲む必要があります。MAP ALLを使用すると、VPROC ALLと同じ結果になります。
スパース マップにSCOPEを設定すると、有効なFerretスコープは、スパース マップの親連続マップ内のAMPの範囲に設定されます。
TABLE
後続のコマンドにより操作されるサブテーブル。
  • tidは、処理するサブテーブルを指定します。
    typeandindextid構成要素は、必須です。tidの書式設定の詳細については、Ferretパラメータの使用を参照してください。
  • ALLは、構成内のサブテーブルすべてを指定します。
WAL
WALログ
ALL
SCOPEをデフォルトのFerret始動設定値にリセットします。初期対象範囲は、各コマンドに応じて、すべてのテーブル、すべてのシリンダ、すべてのvproc、およびWALログで構成されます。

使用上の注意

次のテーブルには、対象範囲の解釈が示されています。

対象範囲の型 解釈
Table 指定されたサブテーブル(選択されたサブテーブル、すべてのサブテーブル、またはクラスのいずれかです)
TJレコードとWALレコードに割り当てられるディスク領域は表0 26にチャージされますが、実際のTJレコードまたはWALレコードはこのテーブルのサブテーブルにはありません。その代わりに、これらのレコードはWALログにあります。表0、26のどのサブテーブルにも存在する唯一の行は、サブテーブル0のテーブル ヘッダーです。

テーブル対象範囲は、 シリンダ対象範囲を暗黙に示し、すべてのテーブルが対象範囲の場合、空きCIを暗黙に示します。

Cylinder 指定されたすべての シリンダ

シリンダ対象範囲は、サブテーブル対象範囲として暗黙に示すことによって指定できます。DEFRAGMENTコマンドの場合、これは、指定されたサブテーブルを含んだすべての シリンダを意味します。明示的な シリンダ指定は、DEFRAGMENTコマンドに対してのみ有効です。CYLINDER cylidで空きシリンダを指定した場合、Ferret SCANDISKは、シリンダをデフラグメントする必要がなかったというメッセージで応答します。

Vproc すべてのサブテーブル、すべての空きCI、およびWALログ
Map 指定のマップに関連付けられたAMP。
WAL WALログ全体
TJレコードとWALレコードに割り当てられるディスク領域は0 26テーブルにチャージされますが、実際のTJレコードまたはWALレコードはこのテーブルのサブテーブルにはありません。その代わりに、これらのレコードはWALログにあります。0、26テーブルのどのサブテーブルにも存在する唯一の行は、サブテーブル0のテーブル ヘッダーです。

Ferretコマンドは、SCOPEを次のように使用します。ここで、クラスとはテーブルの集まりで、AMP対象範囲のテーブルとなります。

コマンド 説明
DEFRAGMENT コマンドは、AMPスコープのテーブル、またはAMPまたはMAPスコープのシリンダを使用します。

スコープには、テーブルだけ、テーブルとvprocの両方またはマップ、またはvproc/mapsとシリンダの両方を含めることができます。詳細は、DEFRAGMENTを参照してください。

PACKDISK コマンドは、AMP対象範囲、またはAMP対象範囲のテーブルを使用します。

選択したスコープには、vproc/mapsまたはテーブルのいずれかを含める必要がありますが、両方を含めることはできません。詳細は、PACKDISKを参照してください。

SCANDISK コマンドは、AMP対象範囲かAMP対象範囲のテーブル、およびWAL対象範囲を使用します。

スコープには、テーブルだけ、vproc/mapsだけ、テーブルとvproc/mapsの両方、またはWALログを含めることができます。詳細は、SCANDISKを参照してください。

SHOWBLOCKS コマンドは、AMP対象範囲のテーブルおよびWAL対象範囲を使用します。

対象範囲には、表だけまたはWALログを含めることができます。詳細は、SHOWBLOCKSを参照してください。

SHOWFSP コマンドは、AMP対象範囲、またはAMP対象範囲のテーブルを使用します。

スコープには、1つ以上のテーブル、1つ以上のvproc/maps、またはシステム全体を含めることができます。詳細は、SHOWFSPを参照してください。

SHOWSPACE コマンドは、AMP対象範囲かAMP対象範囲のテーブル、およびWAL対象範囲を使用します。
TJレコードとWALレコードに割り当てられるディスク領域は0 26テーブルにチャージされますが、実際のTJレコードまたはWALレコードはこのテーブルのサブテーブルにはありません。その代わりに、これらのレコードはWALログにあります。0、26テーブルのどのサブテーブルにも存在する唯一の行は、サブテーブル0のテーブル ヘッダーです。

スコープには、テーブルだけ、vproc/mapsだけ、テーブルとvproc/mapsの両方、またはWALログを含めることができます。詳細は、SHOWSPACEを参照してください。

対象範囲によっては、特定のコマンドに適用できないものがあります。コマンドを実行したときに、対象範囲がそのコマンドに適用できない場合、コマンドは拒否されるか、対象範囲の適用できない部分が無視されます。

SHOWDEFAULTSコマンドは、記録されたスコープのさまざまな構成要素を表示します。これらの構成要素は、COMPRESS、DEFRAGMENT、PACKDISK、SCANDISK、SHOWBLOCKS、SHOWCOMPRESS、SHOWCYLALLOC、SHOWFSP、SHOWSPACE、SHOWWHERE、UNCOMPRESSの各コマンドによって個別に解釈されます。

スコープはSHOWDEFAULTSの出力に、vprocのテーブル、vprocのシリンダ、vproc、マップ、またはWALログとして表示されます。詳細は、SHOWDEFAULTSを参照してください。

例: SCOPEコマンドの例

以下のコマンド例は、SCOPEコマンドが普通どのように使用されるかを示しています。

コマンド アクション
Scope vproc ALL
システムのすべてのAMPを選択する。
Scope vproc 4, vproc 6

または

Scope vproc (4,6)
vproc 4および6を選択する。
Scope Table 400H 0 400H
すべてのvprocのテーブル400H 0 400Hを選択する。
Scope Class (P, JRNL)

または

Scope Class P, Class JRNL
すべてのvprocのすべての永久テーブルとジャーナル テーブルを選択する。
Scope Class P, Class JRNL, vproc 4
vproc 4のすべての永久テーブルとジャーナル テーブルを選択する。
Scope Cyl (000100000000003C 0001000000000043)
シリンダ000100000000003C~0001000000000043を選択する。
1つのSCOPEコマンドで指定するシリンダは、すべて同じAMPに属している必要があります。

例: フォールバック テーブルへのFerretのスコープ指定

データベースXYZに含まれるT4テーブルのテーブル番号が「0 1198」であるとします。

  • 以下のいずれかのコマンドを使用すれば、T4のすべてのフォールバック サブテーブルが対象範囲に含まれるようになります。
    • SCOPE “TABLE XYZ.T4 F”*
    • SCOPE TABLE 0 1198 F*
  • 以下のいずれかのコマンドを使用すれば、T4のすべてのサブテーブルが対象範囲に含まれるようになります。
    • SCOPE TABLE “XYZ.T4” *
    • SCOPE TABLE 0 1198 *

例: Ferrretスコープのデフォルトへのリセット

以下の例は、対象範囲をデフォルトのFerret始動設定値にリセットします。例を簡略化するため、出力の一部が省略されています。

scope all

showd

Scope for the Defrag command is :
  All Cylinders
  On all AMP vprocs

Scope for the Packdisk command is :
  All of the AMP vprocs

Scope for the Scandisk command is :
  All of the AMP vprocs
 
Scope for the Showblocks command is :
  All tables 
  WAL Log
  On all AMP vprocs

Scope for the Showspace command is :
  All of the AMP vprocs

Scope for the Showwhere command is :
  All tables
  On all AMP vprocs

例: 1つのAMPへのFerretのスコープ指定

以下の例は、WALログを含む、AMP対象範囲全体を示しています。

SCOPE VPROC 1

The SCOPE has been set

Ferret => SHOWD

The current setting of the Input Radix is Decimal
The current setting of the Output Radix is Decimal

Scope for the Defrag command is :
  All Cylinders
  On AMP vproc(s) 1

Scope for the Packdisk command is :
  AMP vproc(s) 1

Scope for the Scandisk command is :
  AMP vproc(s) 1

Scope for the Showblocks command is :
  All tables
  WAL Log
  On AMP vproc(s) 1

Scope for the Showspace command is :
  AMP vproc(s) 1

Scope for the ShowFSP command is :
  AMP vproc(s) 1

Scope for the Showwhere command is :
  AMP vproc(s) 1

例: マップへのFerretのスコープ指定

scope map "td_map1"

The SCOPE has been set

Ferret  ==>
> showd
showd

The current setting of the Input Radix is Decimal
The current setting of the Output Radix is Decimal
Ferret is running with Script Mode -- Disabled


Scope for the Defrag command is :
   Invalid, because no tables or cylinders are specified

Scope for the Packdisk command is :
   MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 )

Scope for the Scandisk command is :
   MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 )

Scope for the Showblocks command is :
   Invalid because there are no tables or log records selected

Scope for the Showspace command is :
   MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 )

Scope for the ShowFSP command is :
   MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 )

Scope for the Showwhere command is :
   MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 )

Scope for the Showcylalloc command is :
   MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 )

Scope for the Force command is :
  Ignores the map scope set by scope command

Scope for the Showcompress command is :
   MAP TD_MAP1 ( vproc(s) 0-3 )

Scope for the [un]Compress command is :
  Ignores the map scope set by scope command

例: すべてのAMPのWALログへのFerretのスコープ指定

以下の例では、対象範囲がすべてのAMPのWALログに設定されます。

この対象範囲で機能するのは、SCANDISK、SHOWBLOCKS、SHOWSPACE、およびSHOWWHEREだけです。
SCOPE WAL

The SCOPE has been set

Ferret => SHOWD

The current setting of the Input Radix is Decimal
The current setting of the Output Radix is Decimal

Scope for the Defrag command is :
  On all AMP vprocs

Scope for the Packdisk command is :
  On all AMP vprocs

Scope for the Scandisk command is :
  WAL Log
  On all AMP vprocs

Scope for the Showblocks command is :
  WAL Log
  On all AMP vprocs

Scope for the Showspace command is :
  WAL Log
  On all AMP vprocs

Scope for the ShowFSP command is :
  Invalid, because it contains WAL

Scope for the Showwhere command is :
  WAL Log
  On all AMP vprocs

例: WALログを除外するFerretのスコープ指定

以下の例では、対象範囲がWALログではなく、すべてのAMPのすべてのテーブルに設定されます。

scope class all

showd

Scope for the Defrag command is :
  Table(s) 0 0 0  TO  65535 65535 65535  
  On All AMP vprocs 
 
Scope for the Packdisk command is :
  Table(s) 0 0 0  TO  65535 65535 65535  
  On All AMP vprocs 
 
Scope for the Scandisk command is :
  Table(s) 0 0 0  TO  65535 65535 65535  
  On All AMP vprocs 
 
Scope for the Showblocks command is :
  Table(s) 0 0 0  TO  65535 65535 65535  
  On All AMP vprocs

Scope for the Showspace command is :
  Table(s) 0 0 0  TO  65535 65535 65535  
  On All AMP vprocs 

Scope for the ShowFSP command is :
  Table(s) 0 0 0  TO  65535 65535 65535  
  On All AMP vprocs

Scope for the Showwhere command is :
  Table(s) 0 0 0  TO  65535 65535 65535  
  On All AMP vprocs