Ferretは広範なコマンドを提供しており、これによりTeradata Databaseシステムに関する特定の情報を表示したり、パフォーマンスが向上するようにシステムを最適化したりすることができます。Ferretコマンドを使用して、以下を実行できます。
- 1つ以上のテーブル、vproc、マップ、シリンダ、WALログなど、コマンドのレベルまたはスコープを定義します。
- パラメータおよび前のアクションの対象範囲の表示
- 性能を上げるためのアクションの実行。例えば、データ ブロックおよび シリンダを再構成するためのデータの移動など
- パーセント値およびシリンダ数によるストレージ領域の使用状況の表示
SCOPEの使用によるコマンド パラメータの定義
一部のFerretコマンドでは、開始したいアクションの パラメータあるいは対象範囲をまず定義する必要があります。
SCOPEコマンドにより、コマンド アクションを次のような領域に限定することができます。
SCOPE パラメータ | 変数 |
---|---|
VPROC |
|
MAP |
|
CYLINDER |
|
TABLE |
|
WAL | WALログ |
詳細については、SCOPEを参照してください。
Ferretコマンドのサマリー
次のテーブルに、Ferretのコマンドおよびその有効な対象範囲のサマリーと、各コマンドの機能の簡単な説明を示します。
コマンド | 有効なSCOPEオプション | 関数 |
---|---|---|
COMPRESS | 適用なし | 特定のテーブルにおけるデータ ブロックを圧縮、あるいはテーブルを圧縮した際に予想される結果を示します。 |
COMPRESS | なし | 現在のシステムの曜日、日付、時刻を表示します。 |
DEFRAGMENT | vprocまたはテーブル | 空きセクターを組み合わせし、それを シリンダの最後に移動します。 |
DISABLE | なし | ファイル システム内の特定のフラグをFALSEに設定し、Ferretの特定の機能を無効にする。このようなフラグのほとんどは内部でのみ使用されます。 |
ENABLE | なし | ファイル システム内の特定のフラグをTRUEに設定して、Ferretの特定の機能を有効にする。このようなフラグのほとんどは内部でのみ使用されます。 |
ERRORS | なし | 診断メッセージを指定したファイルまたはデフォルトのファイルSTDERRに転送します。 ERRORSコマンドを使用すると、既存のメッセージ ファイルに追加または上書きを行なうことができますし、新しいファイルにだけ書き込みを行なうようにすることもできます。 また、現在の診断メッセージ ファイルを表示することもできます。 |
FORCE | なし | テーブルまたは行範囲が占有しているシリンダに対し、これまでのデータ アクセス頻度とは関係なしに、特定の温度を設定します。 |
HELP | なし | オプションまたは パラメータが指定された場合、Ferretの汎用のヘルプまたは詳細なヘルプを表示します。 |
INPUT | なし | デフォルトの入力ファイルSTDINではなくユーザー指定のファイルからコマンドを読み取るようにFerretに指示します。 |
MAP | なし | 指定したマップに関する情報を表示します。 |
OUTPUT | なし | Ferretの出力を指定したファイルまたはデフォルトのファイルSTDOUTにリダイレクトします。 |
PACKDISK | vprocまたはテーブル | 定義された対象範囲内で シリンダを再構成します。 |
PRIORITY | なし | Ferretプロセスの優先クラスを設定します。 |
QUIT | なし | Ferretセッションを終了します。 |
RADIX | なし | Ferretのデータ入出力用の基数として使用されるデフォルトの基数を設定します。 |
RESETBLCTSKCNT | なし | 実行中のCOMPRESSタスク、およびUNCOMPRESSタスクの実行カウントをゼロにリセットします。 |
RESETBLCTSKCNT | WALログ、vproc、または表 | ファイル システムBツリー構造の検証を実行する。 |
SCOPE | すべて | 後続のCOMPRESS、DEFRAGMENT、PACKDISK、SCANDISK、SHOWAMPRECOVERY、SHOWBLOCKS、SHOWCOMPRESS、SHOWCYLALLOC、SHOWFSP、SHOWSPACE、SHOWWHERE、UNCOMPRESSの各コマンドのスコープを定義します。 |
SHOWAMPRECOVERYBLC | 再始動後のトランザクション回復時間を最小限にするためにシステム回復中に行なわれる圧縮操作と圧縮解除操作を表示します。 | |
SHOWBLOCKS | WALログ、vproc、または表 | 定義された対象範囲における、データ ブロック サイズおよびデータ ブロックあたりの行数を示します。データ ブロックにおけるブロック レベル圧縮の使用有無も示します。 |
SHOWCOMPRESS | Vproc、PERMANENTテーブルおよびJRNLテーブル | ブロック レベルで圧縮されたデータ ブロックを含むサブテーブルのリストを表示します。 |
SHOWDEFAULTS | なし | 現在の入出力用のデフォルト基数、現在の入力ファイル名、出力ファイル名、エラー ファイル名、および対象範囲設定を表示します。 |
SHOWFSP | vprocまたはテーブル | PACKDISKが特定のFSPで実行された場合に一部のシリンダを解放または消費する表の名前、および表のスペース使用状況を表示します。対象範囲には、1つまたは複数のテーブル、1つまたは複数のvproc、またはシステム全体を含めることができます。 |
SHOWSPACE | WALログ、vproc、または表 | 空き領域の残量など、永久、スプール、WALログ、一時、およびジャーナルの各データのストレージ領域使用状況を表示します。 |
SHOWSPACE | Vproc、テーブルまたはWALログ | 現在設定されている対象範囲における、シリンダの割り当てや温度に関する情報を表示します。 |
TABLEID | なし | データベース名およびテーブル名が指定された場合、指定されたテーブルのテーブル番号を表示します。 |
UNCOMPRESS | 適用なし | 指定したテーブルのデータ ブロックを圧縮解除、またはテーブルを圧縮解除した場合に予想される結果を示します。 |
次のFerretコマンドは、Teradataで使用可能なストレージ製品、Teradata Virtual Storageで使用されます。これらのコマンドの詳細については、<Teradata Vantage™ - Teradata® Virtual Storage、B035-1179>を参照してください。
- BEGIN OPTIMIZE
- CANCEL OPTIMIZE
- FORCE
- SHOWCYLALLOC
Ferretのエラー メッセージ
デフォルトでは、Ferretのエラー メッセージはすべて、システム コンソールの画面に送られます。
Ferretおよびファイル システムのエラー メッセージは、ERRORコマンドを使用することによって転送できます。
ファイル システム メッセージの詳細については、<Teradata Vantage™ データベース メッセージ、B035-1096>を参照してください。