Data Mover Multi-Purpose Serverで送受信されるすべてのネットワーク トラフィックは、明確にルートが指定されていない限り、サーバーのデフォルトのイーサネット ポートを介して伝達されます。すべてのネットワーク通信にデフォルトのイーサネット ポートを使用すると、Data Mover Multi-Purpose Server上の他のネットワーク ポートは無駄になります。この結果、Data Moverジョブを処理する際にネットワークが低速になるため、データのコピー時にパフォーマンスが低下することがあります。
Teradata Databaseシステム間でデータをコピーする際に、複数のイーサネット ポートが使用されている場合は、Data Moverジョブの実行速度が大幅に上がります。Data Mover Multi-Purpose Serverのネットワーク スループットを高めるためには、Data MoverジョブでソースおよびターゲットTeradata DatabaseシステムのすべてのCOPエントリに特定のネットワーク ルートを設定することを推奨します。COPエントリは、Teradata DatabaseノードのIPアドレスです。これらの特定のネットワーク ルートを使用することにより、Data MoverエージェントはData Mover Multi-Purpose Server上のさまざまなイーサネット ポートを使用してTCPセッションをソース システムおよびターゲット システムに接続できます。この方法では、使用できるすべてのネットワーク ポートにデータが分散されるため、パフォーマンスが向上します。
この節のトピックでは、dmdevという2ノード構成のTeradata Databaseシステムをソースとして、dmtestという2ノード構成のTeradata Databaseシステムをターゲットとして使用してルートをセットアップする方法について説明します。この節の例は、Data Mover Multi-Purpose Serverでネットワーク ポートeth4とeth5が接続されていて、使用できる状態であることを前提にしています。
顧客環境では、Data Mover Multi-Purpose Server上で3つ以上のポートを使用できます。この節の例では、2ノード構成のソース システムおよびターゲット システムと、Data Mover Multi-Purpose Server上の使用可能な2つのネットワーク ポートのみを使用しています。
- Data Mover Multi-Purpose Server上の/etc/hostsファイル内のすべてのソースおよびターゲットCOPエントリに対するIPアドレスを追加します。
- Data Mover Multi-Purpose Server上の/etc/sysconfig/network/routesファイル内のCOPエントリに対する特定のルートを定義します。
- Data Mover Multi-Purpose Serverでネットワークを再起動します。
- Data Mover Multi-Purpose Serverでルート変更が完了したことを確認します。